【解説】

従来、継目無鋼管としては普通鋼鋼管が主体となって普及し、STKM13AとしてJIS鉄鋼の"機械構造用炭素鋼鋼管"に0.25%C以下の鋼として規格化されていますが、同じようにSTKM16A、STKM17A及び低炭素Mn鋼としてのSTKM18Aも規格化されています。

しかし、この場合STKM16Aでは炭素含有量は0.35～0.45%であり、STKM17Aでは0.45%～0.55%です。

同じ機械構造用炭素鋼でありながら、丸鋼(SC材)とは異なり鋼管の場合は至極大雑把な分類になっています。

0.35%C鋼でも0.45%C鋼でも同じSTKM16Aであることは使用上不適当です。これは鋼の性質上、0.35%C鋼と0.45%C鋼とを同列にみることはできないからです。

STKM17Aの場合も、0.45%Cより0.55%Cとなっており、これも同様のことがいえます。大量に生産されているSC棒鋼ではS45C鋼が比較的多く生産され、この棒鋼の中にはチューブ状に加工されるものがかなりあります。

現実に、図面にS45Cの鋼種が指定されていると、このチューブにSTKM16A、STKM17Aを使用することができません。

その反面、STKM16A、STKM17Aが図面指定の場合、ミルシートの炭素含有量を確認の上、S45CTKを代替品として検討する事が可能です。